ショートショートを書く秘訣
ショートショートで面白い話を考えるには、とにかくたくさんのネタを出していくことが大切です。100のアイデアがあったとしたら、そのなかで使えるのは1か2くらい。良いアイデアを見つける秘訣は、圧倒的な《量》のなかから《質》で厳選することです。
量より質でもなく、質より量でもない。量×質なのです。
では数多くの創作ネタを見つけるためにはどうすれば良いのか。
創作理論としてはすっかりおなじみの手法ですが「異質なもの同士を組み合わせる」ことで独創的なアイデアとなります。ショートショートの神様、星新一氏もこのように書いています。
新鮮な組み合わせとは、公式でないもの、既存の常識や感覚にないもの、つまり、組み合わせるものの間がかけはなれていればいるほどいいのである。
ショートショートに限らず、漫画やアニメでも「異質なものを掛け合わせたアイデア」が使われています。
- 名探偵 × 小学生 = 名探偵コナン
- アンパン × ヒーロー = アンパンマン
- 女子高生 × 戦車道 = ガールズ&パンツァー
- 男子高生 × 少女漫画家 = 月刊少女野崎くん
- 魔女 × 宅急便 = 魔女の宅急便
みたいにいろいろあります。
「異質な性質」×「異質な職業」×「異質な場所」の3つを組み合わせると、ショートショートはとても書きやすいです。とはいえ、このようなアイデアをポンポンと思いつくのは難しいものです。
そこでとっておきのツールを作りました。名付けて「即席アイデアメーカー」です!
即席アイデアメーカーの使い方
まずは下のサイトにアクセスしてみてください。
使い方は簡単。「シャッフル!!」のボタンを押すたびに、異質なシチュエーションを記した文章が次々と表示されます。
アイデアの結果は「ツイート」ボタンからつぶやくこともできます。
上が実際の画面。効率よくアイデアを出していくために、文章は3つまとめて表示されます。組み合わせは379万6416通りあります。
(追記)約696万通りに大幅アップしました!!
アイデアの重複はあまり気にしなくても大丈夫です。(万が一被ったとしても、肉付けしていく過程でそれはオリジナルなものへと変わります)
実際に「即席アイデアメーカー」を30回シャッフルしてみて、その中から使えそうなネタをピックアップしてみましょう。
- 不運続きの浮浪者が、NASA(アメリカ航空宇宙局)にいる。
- ナルシストな宇宙人が、落とし物センターにいる。
- 虚栄心に満ちたコンビニ店員が、カボチャ畑にいる。
- 屈強なテレビディレクターが、保育園にいる。
- 完璧主義者の占い師が、動物園にいる。
基本的に、即席アイデアメーカーで抽出されるのは(普通に考えたらあり得ないような)異質なシチュエーションばかりです。一体どうしたらそのような場面に陥るのか、という疑問への回答が「物語」となります。(推理小説はこの典型例ですね)
もっとも、即席アイデアメーカーは完全なランダム性にシステムを頼っているため、実際に使えるネタが出てくる確率は1~10%くらいです。
場合によっては社会通念上不適切ではないかと思われる文章も表示されますが、あくまで「フィクション物語のネタ出し用ツール」ということでご容赦ください。
抽出文章の最適化・見直し改善は、今後も力を入れていきます。改善案や不具合等ございましたら、タロットプロットのトップページ最下部に連絡先とメールフォームが記載されていますので、こちらにお気軽にご連絡ください。
ショートショートの新人賞にどんどん投稿してみよう!
本ツールでネタ出しをして、そのアイデアで新人賞に投稿したり商業出版をしたりするのはまったく構いません。そのためのツールですし、大歓迎です。
クレジット表記も不要ですし、ブログや小説投稿サイトなどでもご自由に転載・改変・創作いただけます。
私事で恐縮ながら、私は以前に星の砂文庫『第2回ショートショートコンテスト』にて審査員特別賞をいただきました。そのときの作品も「異質なモノ戦略」でアイデアを出したものです。
具体的には「大富豪の老人がティッシュ配りをしている(性質×人物→状況)」という異質なシチュエーションを作り出して、物語としました。自分で頭を捻って考えるのはなかなか難しいです。機械的にランダムにネタ出しをした方が、むしろ閃きを得られやすいと実感しています。
物語作りのお役に立てましたら幸いです。
(終わり)