森田さんは無口(佐野妙 著)読みましたー。感想記事

「森田さんは無口」1巻読みましたー。

たしか5分くらいのショータイムでアニメ化されていて、アニメ版が好きだったので原作も読んでみることに。

アニメ第1話はニコニコ動画で無料配信されています。

基本情報

2007年からまんがライフMOMOで連載開始、竹書房より7巻単行本が出ています。

2011年にアニメ化されました。

ジャンルは、ゆるふわ系学園4コマ漫画。ストーリーは森田さんは無口可愛い!(終わり

感想

今アニメ化されている漫画作品で「となりの関くん」がありまして、隣の席の男の子が授業中に遊んでる!という毎回それだけのストーリーなのですが、謎に癖になる面白さで原作全巻読んでしまいました。

起承転結のようなストーリーがなくても、キャラの属性を突き詰めていけば作品は面白くなるのだなあ……と最近のアニメ化作品を見ていても実感します。

例えば「侵略!イカ娘」これもギャグ漫画で、これといってストーリーはないのですが、イカ娘が可愛い!!という究極のオリジナリティによって絶大な人気を獲得しています。

「森田さんは無口」でも上述の漫画作品の成功要素をうまく盛り込んでいるなと感じました。基本的に、女子高生がただ無口なだけなんですが、無口のレベルがぱないのですね。

1巻作中で主人公の森田さんが発した言葉は、必死に探しても「あっ」「…っ」「にゃ」くらいしか見当たりません。あとは全て心の声です。

ここまでの無口キャラは漫画でしか描けないですね。小説だと会話文が無くなってしまうので……。心理描写を会話文と同じような吹き出しで使える漫画ならではの特性を活かしています。

結局のところ作品の魅力はどこにあるのか?

感想も正直なところ、森田さんかわいい!(小並感)しか思い浮かばんとですが、要素を分解すると以下のようになります。

1.共感要素

主人公が無口であることに対する共感、これは大きいですね。

私も学生時代はぼっちでしたので「ふっ……今日も一日誰とも話さなかったぜ」という日が年に365日くらいありました。

そこまでいかなくても、森田さんのように優しすぎるがゆえにどのように話せばよいのか考えすぎてしまい、無口になってしまう――といった経験には多くの人が共感できることと思います。

『主人公に共感できる要素がある』というのは、特に日常を扱う作品では重要なことです。

2.無口なのにコミュ力が並外れて高い森田さん

もしも読者に徹底的に共感させるのであれば「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 」のような、ぼっちのリアリズムを追究した孤独キャラに森田さんはなっていたでしょう。

しかし森田さんは無口でありながら友だちがたくさんおり、異性からも人気があるのですね。欠点は裏返せば長所であると言いますが、森田さんは無口ゆえに「聞き上手」であり、多くの友だちが森田さんに話しかけてくるわけです。

加えて、口に出さなくとも相手を思いやり行動するところとか、体を使った非言語コミュニケーションとか、いろいろあるのですね。

必ずしも、会話をしなくとも、人と人とは仲良くなれるんだ!という希望が見えてくる作品です。

「きんいろモザイク」のアニメ1話でも、イギリスのホームステイ先でヒロインが「Hello!」の一言だけで家族との会話を押し通す!!というとんでもない話がありましたが……。

そう、言葉が通じなくとも、コミュニケーションはできるんですね。

3.冷凍イカの目

作中に出てくる女の子はみんな可愛いのですが、森田さんだけ何故か瞳にハイライトが入っていないのですね。

作中では「冷凍イカの目」と言及されています。

この森田さんの冷凍イカの目がなかなか(イイ!

まとめ

キャラ設定で作品を魅せる、という意味で勉強になった漫画でした。

あとは、森田さんが可愛いです。(それで十分やで)

可愛いといっても、ほのぼの系で、萌え萌え路線ではありませんのでそこはご注意を。基本的に萌えポイントは「冷凍イカの目」です!

では今日の感想はこれにて。ノシ