ランサーズで時給換算いくら稼げるのか試してみた結果

お察しのとおりクラウドソーシングは「フリーランスを買い叩くための場」として機能しており、時給換算すると500円も稼げない案件で溢れかえっている。

しかしそこが自由市場である以上、工夫次第でクラウドソーシングも良い副業探しの場になるのではないか。そのような思惑で今月はランサーズで積極的に仕事を受注し、検証してみることにした。

なお、ランサーズは報酬のうち20%がシステム手数料として差し引かれる。下記に記載するのはすべて手数料差し引き後の報酬である。

案件その1「メールの問い合わせ業務代行」

獲得報酬額:880円

総作業時間:10時間

時給換算 :88円/h

「コピペしてメールを送信するだけの簡単なお仕事です!」といった謳い文句に惹かれて応募したら時給換算88円というあまりに悲惨な結果となってしまった案件。

マクロを組んで自動化したら30分以内で終わるやろ (◜◡‾)

と楽観していた作業はしかし、実際には自動化できるものでなく、案件説明には記載されていなかった《調査》の時間を含めて10時間もかかってしまった。

案件その2「スマホアプリのデザインとコーディング」

獲得報酬額:17,600円

総作業時間:17時間

時給換算 :1,035円/h

デザインとコーディング込みで報酬額が2万円を切るのだから、破格の安値ではある。

しかしながら規模の小さなプロジェクトで手を付けやすそうだったので引き受けたところ、何とか時給1000円のラインは確保することができた。

デザイン業務はゼロからイチを作らなければいけない『生みの苦しみ』があるものの、その分のやりがいと楽しさはあり、単価は低くとも副業としては悪くないと感じた。

手掛けたアプリ制作案件は『実績』として今後のアピール材料にはなる。ポートフォリオの実績が欲しい場合は、低単価でも積極的に請けてみる価値はあるかもしれない。

案件その3「エクセルのデータ入力」

獲得報酬額:8,800円

総作業時間:14時間

時給換算 :628円/h

こちらも「マクロを組んで自動化したら楽勝やろ (◜◡‾) 」と思って引き受けたら、想定以上に骨の折れる作業で割に合わなくなってしまったデータ入力案件。

少し考えてみればわかる。簡単に自動化できる作業であるならば、誰も外注で頼もうだなんて思わないのだ。

ただ、この案件は作業の90%近くを自動化すること自体には成功したので、そこからはYouTubeで音楽を聞きながらたまにポチポチPCを操作するだけの、非常に『楽』な仕事にはなった。

(もし自動化に失敗していたら地獄 of 地獄だった)

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案件その4「Photoshopを使った画像加工」

獲得報酬額:3,520円

総作業時間:3時間

時給換算 :1,173円/h

Photoshopを使った写真加工の依頼。

作業内容としてはウェブ制作の専門学校で習う程度のスキル(人物の切り抜きや風景合成ができるレベル)で十分対応可能なもの。

結果として割の良い仕事にはなった。

案件その5「セールスライティング」

獲得報酬額:1,056円

総作業時間:1時間

時給換算 :1,056円/h

約1,000文字のセールスライティング。文字単価1円。

案件その6「小説の執筆」

獲得報酬額:5,500円

総作業時間:10時間

時給換算 :550円/h

5千文字程度の小説執筆で報酬額は5,500円と、文字単価だけ見ると他のライティング案件と同等レベルである。

しかし小説を書いたことのある人ならばわかるとおり、小説は執筆そのものよりも、ネタ出しや構成を考えるのに圧倒的な時間がかかる。

したがって時給換算すると割りに合わない案件となってしまった。

とはいえ小説執筆の仕事自体レア度が高く、このようなユニークで面白い案件を受注できるチャンスのあるのが、クラウドソーシングの魅力といえるかもしれない。

案件その7「WordPressサイトのデザイン不具合修正」

獲得報酬額:1,760円

総作業時間:1時間

時給換算 :1,760円/h

案件その8「WordPressサイトのフロントメニューコーディング」

獲得報酬額:2,000円

総作業時間:1.5時間

時給換算 :1,333円/h

WordPressサイトの不具合修正系の案件は、個人的には狙い目であると感じる。

不具合修正は、分からない人にとってはどれだけ頭を悩ませても分からないが、分かる人にとっては5秒で解決方法を見つけ出すことができる。

労力に対する報酬のパフォーマンスが非常に高いジャンルであると言える。

まとめ

総作業件数:8件

合計報酬額:41,116円

総作業時間:57.5時間

時給換算 :715円/h

今回の検証で気づいたことをまとめてみようと思う。

ランサーズでデータ入力からコーディングまでさまざまな案件を請けてみたところ、時給換算で平均715円となった。このことからも、Lancers等のクラウドソーシングでは全体として相場が安い(買い叩き状態にある)ことが分かる。

しかしながら、デザインやコーディングなど専門性がある程度高い業務であれば、時給換算1,000円の確保は可能だった。

一方で、誰でもできる系のデータ入力案件は(マクロで完全自動化できない場合は)骨折り損で地獄の作業と化してしまう。

労力に対して最も割の良いのが「WordPressの不具合修正」案件だった。

もし副業に役立つスキルを身につけるのであれば、定番ながらもHTML・CSS・JavaScript・PHPの習得をおすすめしたい。

本職がWebデザイナー等でAdobe CCを持っている人であれば、画像加工案件はもちろんのこと、最近クラウドソーシング界隈ではホットトレンドにある「動画編集」あたりのスキルを身につけるのも面白そうだ。

僕もつい先日から After Effects の勉強を始めた。

ランサーズや他のクラウドソーシングで仕事を受注する際は、時給換算で物事を考えるとあとあと落ち込むことになるかもしれない。

だからこそ、クラウドソーシングで案件を選ぶときは、それが「スキルアップに繋がるか」「自己のブランディングに役立つか」「実績として今後アピールできるものであるか」を総合的に見極めたうえで判断した方が良いだろう。

(了)