「文章が書けない病」と等身大の自分

執筆スランプがひどくて、趣味のブログや小説まで書けなくなってきている。このブログも下書きリストに100記事近く「書きかけの未完原稿」が溜まっており、たいていは書き始めるも途中で嫌になって投げ出してしまう。

で、藁にもすがる思いで執筆スランプの脱出法をGoogle先生に聞いてみたら、なんと検索上位2つともボクが書いたブログの記事で、皮肉すぎてさすがに乾いた笑いがこぼれてしまった。

Webライターとして生きる/ときまき! 五条ダン・筆

書けない病とショーペンハウアー

もっともショウペンハウエルに言わせれば、執筆スランプに喘ぐ物書きなどは、三流の愚か者なのだ。なぜならば、書けなくて悩むのは「考えもなしに書こうとしている」か「書くために考えようとしている」かのどちらかだからだ。

本物の文筆家であれば、まず自分の頭で考え抜いた思索があり、それを読者に届けようとして、ようやく筆を執り始める。伝えるべき事柄が最初になければならない。

原稿用紙のマス目を埋めるため、文字数を稼ぐために文章を書くのは、これは紛れもなく読者に対する詐術行為であり、そんなくだらない本はただちに投げ捨てるべきだ。

――とまで、ショウペンハウエルは書いている。(きっとショウペンハウエルが現代に生き返ったらインターネットにあふれかえる文章を見て発狂しそうだが)

ともあれショウペンハウエルの毒舌エッセイに興味のある人は一度彼の著作を読んでみてほしい。上の話は『読書について (光文社古典新訳文庫)/Amazon』の「著作と文体について」の章に書いてある。

書けないのは、伝えるべきことがないからであり、すなわち書けないときは書いてはいけない。書こうとする前に、徹底的に思索せよ。

ショウペンハウエルの言うことは厳しくて、本書を読み返すたびにボクなんかはすっかり震え上がってしまう。(というか切実に筆を折りたくなる)

等身大の自分と向き合う

ところでボクはバーチャルYouTuberになりたくて、なるための勉強をしている。

個人運営のバーチャルYouTuberさんを見ていると、ほんとすごいなと思う。自分よりも若い人たちが、絵を描いてLive2Dモデルを作って、Blenderで3Dモデリングして動かして、シナリオもやって動画制作もやって、Webサイトを立ち上げてプロモーションもやって、トークもうまいし企画力も並外れている。

かたやボクはと言えば、絵がうまくなりたいと思ってお絵描き教本を買い集めたは良いも正面顔のところから一向に練習が進まず、子供向けのUnityとC#の入門書を読み始めるも最初の30ページで悲鳴を上げるありさまで、おまけにバーチャル美少女youtuberになるべく「ふわふわり♪ ふわふわる♪」と裏声で歌う練習を深夜にしていたら死にたくなった。

自分が未熟すぎて落ち込むと同時に、もしこのまま成長しないで歳だけ取っていくことを考えると、やり場のない恐怖と焦燥感がこみ上げてくる。

けれども他者と自分を比較して得られる劣等感を糧に頑張るのは、経験則上うまくいかなかった。辛くて苦しいからだ。

「すごい自分」になろうと無理をしても、理想と現実のギャップに絶望してしまい長続きしない。

ボクが執筆スランプでブログが書けなくなったのも、おそらくは「ライターを名乗るからには他者から一目置かれる名文を書きたい!」といった見栄や自意識過剰によって自分を縛っているせいだろう。

《五条ダン》が生まれたばかりの頃、ボクは小説家になろうで『ぼっちの就活日記』というエッセイ風フィクションを連載していた。今読み返してもひどい文章&内容で、こんな黒歴史は葬り去ってしまおうと何度も考えたが、消さずに残している。

どんなに恥ずかしい黒歴史であったとしても、この頃の文章が最も自由にのびのびと書けていた気がする。等身大の自分で、好きなことを好きなように書いていた。

なので今はこのくらいのイラストしか描けなくても、等身大の自分に+αを積み重ねつつ、ゆっくりとナメクジのような歩みでも進んでいけたら良いなと思った。

けものフレンズの「わーい!」「すっごーい!」「たーのしー!」の三原則を創作するときも忘れないように。

 

バーチャルYouTuberデビューの方はまだ当分先になりそうだが、ニコニコ動画VOICEROID劇場職人(?)の方は一足先に念願のデビューを果たした。

「ボイロ劇場」 五条ダン さんの公開マイリスト - ニコニコ動画
「ボイロ劇場」 五条ダンさんの公開マイリストです。 作った動画

こちらのマイリストにまとめており、ニコニコは会員登録しなくても動画が見られるように仕様変更されたので、良ければ見てほしい。

僕たちの戦いはこれからだ!

(了)

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当記事の執筆者
五条ダン

研究対象は《ナメクジオバケ》。「現実は甘くない。だからこそ甘さが必要である」をモットーとする。修辞技法(レトリック)の分析を得意とし、文体に重きを置く創作スタイルを好む。しかし筆速はナメクジの歩みのように遅い。

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