ブロガーが書きたがらない仮想通貨取引所「Zaif」のデメリット

仮想通貨ビットコインの価格は2017年の初めから終わりにかけて8倍近くに高騰し、バブルだバブルだと囁かれつつも、順調に市場規模を大きくしている。

「仮想通貨やってる人は今頃大儲けなんでしょ?」と思われるかもしれない。

だが、儲かっているのは主にビットコインを買っている人たちだ。僕みたいに夏頃にアルトコインに手を出してしまった勢は、含み損に頭を抱えつつ、隣のビットコイナーを恨めしく眺めている。

さておき、これから仮想通貨を始めようとする人に、ひとつ注意しておきたい。

それは、仮想通貨界隈はポジショントークの巣窟だということだ。

このブログにたどり着いた人は、おそらく仮想通貨取引所を比較検討しているところだと思う。

気をつけてほしい。多くのブロガーは(取引所の)メリットは饒舌に並べ立てるけれども、デメリットは口を閉ざして語りたがらない。

本題に入ろう。

仮想通貨取引所「Zaif」のデメリット

仮想通貨取引所「Zaif」のデメリットは次の通りである。

  • サーバーが不安定!! ←これが最大の懸念事項
  • 肝心な相場でサーバーダウンして「502 Bad Gateway」でアクセスできなくなる(2017年8月27日のZaifトークン事件)
  • 相場加熱時に「注文は一時的に利用できません」と表示され、注文が通らなくなる(2017年11月2日のビットコイン急騰事件)
  • 相場加熱時に「貸付残高の不足」により、信用取引の注文が通らなくなる
  • チャットの買い煽りや売り煽りがひどい
  • ZaifアカウントからXEM送金した際に、マルチシグトランザクション未対応の海外取引所では送金がウォレットに反映されない
  • (追記)Air FXをユーザーに無告知で新規受付停止にし、現物価格から値を大幅にふっ飛ばした挙句にショートポジションを持っていた人たちを強制ロスカットさせた ※17年12月
  • (追記)APIキーが不正使用され一部顧客の保有コインが盗まれる。緊急の出金制限対応 ※18年1月6~8日
  • 上記のような肝心の情報を公式ツイッターアカウントで呟くだけで、サイト上で分かるような告知をしない

Zaifサーバーが時折不安定なことは、仮想通貨トレーダーにとってはもはや有名である。

にもかかわらず仮想通貨取引所の比較記事なんかを見ても、Zaifのデメリット項目に挙げられているのは「取引画面が使いづらい」みたいな当たり障りのない欠点だけで、肝心のことが書かれていない。

これは記事の書き手がZaifで取引をしたことがないか、意図的にデメリットを隠しているからである。

サーバーダウンや注文エラーは、致命的なデメリットだ。

仮想通貨なんて、ただでさえボラティリティ(価格変動)が大きい。レバレッジをかけて仮想通貨FXをしている人であれば、相場変動時にいかに迅速にロスカットするかに生命線がかかっている。

そんなときに「502 Bad Gateway」が表示されたら顔が引きつるだろうし、「注文は一時的に利用できません」の警告表示で注文が通らないとあらば、キーボードを叩き割りたくなるだろう。

Zaif運営はとにかく、投資家が安心して取引できる環境を整えてほしい。

補足その1:2017年8月27日のZaifトークン事件とは

ブロックチェーンソリューション「COMSA」プロジェクトとZaifトークンの連携期待から、17年8月27日にZaifトークン価格が2.5円付近まで急騰。

しかし直後にZaif公式ツイッターアカウントが

『ZaifトークンとCOMSAプロジェクトは、今のところまだ連携などの予定はありません。是非一度落ち着いてください』

といった内容の、冷水を浴びせるようなツイートをし、投げ売りパニックで0.3円台まで叩き売られた騒動。

高値でZaifトークンを買ってしまった人は、たった一日のうちに資産が5分の1以上溶けるという、悪夢のような惨状に。

もっともそれ自体は「自己責任」だが、アクセスが集中した結果zaifのサーバーがダウンし、「502 Bad Gateway」で一時的に取引できない状態となる。ホルダーは損切りできない恐怖を味わったことだろう。

Zaifのサーバーエラーは、2017年だけでも1月11日、3月24日、5月27日、6月4日、6月20日、8月27日、8月30日、9月29日、10月27日、11月2日、11月8日、11月12日、11月27日、12月2日、12月4日にも発生している。(補足漏れを含めればもっと多くなるはず)

17年11月27日のZaifサーバー障害

公式運営はサーバー増強に努めているようだが、まだまだ不安の域を脱せない。レバレッジ取引なんて、とてもじゃないが怖くてできない。

補足その2:2017年11月2日のビットコイン急騰事件とは

ビットコイン先物が17年内に米CMEで上場されるとの発表を受け、BTCが急騰。11月2日に80万円台の高値を更新する。

ところがZaifではサーバーエラーによる混乱があり(成行買い注文の殺到&空売りロスカットのコンボが決まったのだろう)80万円台どころか、一時的にBTCが99万円をつけるというびっくりな事態になった。

案の定サーバーは不安定で、注文が通らない。

いらすとや「F5アタックのイラスト」

(サーバーが繋がらないとイラストのような「F5アタック」をする人が出てきて、ますますサーバーに繋がりにくくなる)

ちなみにZaifチャットでは「注文ボタンを連打すれば行ける!!!」みたいな謎のアドバイスが流れてきて笑ってしまった。

ブロガーはなぜ仮想通貨取引所のデメリットを記事に書かないのか?

多くのブロガーが、仮想通貨取引所の(こういった生々しい本当の)デメリットを記事に書きたがらないのは、それが自分にとって不都合な事実だからである。

Zaifには、アフィリエイト制度がある。

記事中の紹介リンクを経由してZaifアカウントが開設されたときに、ブロガーには成果報酬が振り込まれる仕組みとなっている。

Zaifのアフィリエイト報酬は、キャンペーン中の17年11月現在では最大で18,000円と非常に高額だ。

こんなに美味しいアフィリエイト案件を逃すのは勿体無い話なので、報酬を目的とする人たちが声高に「仮想通貨は儲かるよ!」と甘言を囁き、仮想通貨取引所のメリットを喧伝する。

僕は別にZaifに恨みがあるわけではないし、むしろメインの取引所としてZaifを愛用している。XEMやMONAなどのアルトコインをトレードするのであれば、国内ではZaifが最も手数料が安いし(安いどころかmakerだと取引手数料がかからない)Zaifを重宝している。

しかしながら、あくまで「仮想通貨取引所のデメリットやリスクを知った上で、利用すること」が大切である。

このあたりの情報がネットには不足している(あまりにも偏っている)ため、走り書きながら記事にした。

以上、Zaif口座開設を検討する人のお役に立てれば幸いである。

(了)