文学フリマ大阪に初めて行ってきた所感

2016年9月18日(日)開催の第四回文学フリマ大阪に一般参加してきた。

学生時代にコミティア大阪に行ったことがあるのだけれど、あのときは人の多さに圧倒されてしまって、結局何も買えないままに帰ってきてしまった。同人誌イベントを実質的に楽しめたのは、今回が初めてだ。

以前の後悔を繰り返さぬよう「買うぞー! いっぱい買うぞー!」と意気込んで会場に足を踏み入れた。その甲斐あってか、1万円ほど散財してしまった。購入冊数は24冊。こんなに大人買いをしたのは人生初で、まさに文フリ恐るべし……。

会場は『堺市産業振興センター イベントホール』地下鉄御堂筋線のなかもず駅のすぐ近くにある。写真を見てのとおり、天気が悪かった。でも人はいっぱい来てた。

1.会場の雰囲気

入り口のところにサークルさんの一覧が掲載されたカタログが置いてあり、無料で貰える。入場料もかからない。入ってみると、小学生・中学生くらいの小さな子どもから、ご年配の方までいて、(イメージとは裏腹に)とても入りやすい雰囲気で驚いた。

ブースの前を歩いていると「どうぞ立ち読みしていってください」「パンフレットもしよければどうぞー」とサークルの方から声をかけられる。

正直なところ、小説は立ち読みでパラパラとページを捲ったくらいでは作品の巧拙を判断するのが難しい。だからサークルの方から声をかけてくださると、私のようなタイプの人間は(よっしゃとりあえず買うか)という方向に気持ちが動きやすい。

売るのであれば、やはり声掛けは重要だなと感じる。

あと、その場で立ち読みをしなくても、壇上スペースの「見本誌コーナー」でじっくりと作品を選定することができる。(声掛けられるの苦手だな…)という方は、最初に見本誌コーナーで買う本を決めてから、ブースの方へ足を運ぶとスムースに購入ができると思う。

人は午後3時過ぎあたりから結構まばらになってきて、空いてくる。コミティア大阪に行ったときはあまりの人の多さに頭がクラクラになってしまったが、文フリ大阪はゆっくりとブースを周れて良かった。(私なんかは会場を5周くらいはしてた)

本を買うと、おまけのくじ引きがあったり、飴ちゃんやお饅頭を貰ったり(さすが大阪?)、著者の方がサインをしてくださったり、トートバッグをつけてくれたりと、サービスに特色を出しているサークルさんも多く、やはりこういうのはイベントならではの雰囲気があって、なかなか楽しかった。

2.本について

プリンターで印刷したのをホッチキス留めした簡易的な冊子から、商業書籍顔負けのお洒落な装丁の本まで、さまざまある。ISBNコード付きの本もあった。

小説に限らず、詩、漫画、評論、絵本、ノベルゲーム、CD等、形式に囚われない作品が文フリには出されていて、ジャンルは非常に幅広い。《文学》の本質は《自由》であることを深く実感させられる。

今回の戦利品。合計で24冊手に入れて、使った金額は1万円ほど。正直ちょっと(初参加でテンションが舞い上がっていて)買いすぎた。通常の予算では5千円もあれば十分ではないかと思う。

購入した本のジャンルは純文学・SF・ライトノベル・百合・ホラー・アダルト・ファンタジー…etc

コミケではないけれど、財布に入っているお金をすべて使い切ってしまいたくなるような衝動に襲われる。気になる作品が多過ぎる。次回からは事前に予算をしっかり決めておかねば。

24冊で1万円だから、平均すると1冊416円くらいか……。しかし上記冊数には、無料配布でいただいたものや、まとめ買い割引のものも含まれている。なので1冊あたりだと平均600円~800円くらいになるとは思う。

値段としては、300円、500円、600円、800円、1000円の価格設定の作品が多い印象。文学フリマだから安く買えるといったことはなく、一般的な書店で出回っている商業書籍の価格帯とほぼ変わらない。(あくまで消費者目線だと割高に感じるとは思う)

紙の本を作って出版するというのは結構なコストがかかるもので、文フリで1冊1000円で売ったとしても「たいていは赤字だよー」とサークルの方は話していた。

3.文フリが終わってからが本番である

本は読むものである。作品は読まれなければ意味がない。

そしてもし最後まで読んだのならば、感想を著者の方へ届けたい。

読者としては、むしろここからが本番パートだ。私も買った本は積読にせず、じっくりと手に取って読んでいきたい。

今回文学フリマ大阪に一般参加してみて、ああ、これは私も出店参加してみたいな…と心底感じた。なんといっても作品の自由度が高い。自分の好きなものを書くんだ!という意志が、展示されている作品からひしひしと伝わってきて、売り手も買い手も創作に対して真摯であり、そのような雰囲気が、とても良かった。

来年も文フリ大阪に行きたいなと強く思った。決して入りづらい場所でも怖い場所でもないので、興味のある方はぜひ。

(終わり)