読んでみたいミニマリズム小説

ただのメモ書き。

アメリカ文学は今まであまり読んでこなかった。世間ではミニマリストブームのようだし、折角の機会なのでいろんな作品に手を出してみようと思う。

ミニマリズム関連で読みたい小説

以下、積ん読リスト。村上春樹さん翻訳のレイモンド・カーヴァー短篇集は何冊か読んだ。

(著者/書籍)

  • レイモンド・カーヴァー/『頼むから静かにしてくれ』
  • アン・ビーティー/『この世界の女たち』
  • ジェイン・アン・フィリップス/『ファスト・レーンズ』
  • スーザン・マイノット/『モンキーズ』
  • フレデリック・バーセルミ/『ムーン・デラックス』
  • ボビー・アン・メイソン/『ラヴ・ライフ』
  • ローリー・ムーア/『セルフ・ヘルプ』

とりあえず片っ端から。ミニマリズム文学でおすすめの作品あれば教えていただけると嬉しいです。

ミニマリズムミニマリズムと言っておきながら肝心のミニマリズムの定義が解らなくて、作品のどこからどこまでがミニマリズムと呼べるのかはすごく漠然としている。

これが単なる文体形式を指す言葉であるのなら「星新一さんのショートショートはめっちゃミニマリズムやん!!」という話になるのだが、どうもそう簡単ではないらしい。

文学を語る際に用いる「リアリズム」「ポストモダニズム」だとか「実存主義」「自然主義」あるいは「デカダンス」だとか、辞書やWikipediaを見ても意味不明な言葉はたくさんあって、こう云う類いはとにかく実作品を読んで自分で何かを感じ取るに限る。(その方が面白い)

実際に読んでみないことには何とも言えない。

ミニマリズムの代表的作家として知られるアメリカの小説家、レイモンド・カーヴァーの作品を最初に読んでみることにした。

レイモンド・カーヴァー『象』

読んでみたが、やはり何とも言えない……。もう少し読み込まなければ……。

表題作の「象」が個人的には一番好き。

中年サラリーマンの男に家族が寄ってたかってお金を毟り取ろうとするひどい話なのだけれども、不思議と悲壮感は無くどこか笑いを誘われる感じで、しかし描写はふいにぞっとさせる不穏な空気を醸しており、想像される結末は吹っ切れた清々しさを期待させつつも先行きの視えない真っ暗闇であり、馬鹿げていながらも生々しい現実には違いなく、信頼と疑心の狭間で絶望は楽観に転じ、その心理変化の象徴としての《象》が佇んでおり、真相不明のままに不気味で爽やかな読後感を残していく。

などと書いてみてもやはりよくわからないのだが、少なくとも作品の解釈は読者の手に委ねられている。

家庭や日常生活を綴るエッセイ(ミニマリスト・ブログ)と、ミニマリズム文学とは、別物でありながらも何らかの共通項はあるのだと思う。

ネットで流行しているミニマリズムの最終的に目指すところは『現実生活のなかで、私が今ここに生きているという実感を得ること』であり、格好良く言えば 実存主義的リアリズム!なのだ。(あまり適当なことを書くと哲学クラスタに怒られる)

ただ、節約術やライフハックばかりで溢れかえるのはすごく勿体ないし、それで喧嘩するのも勿体ない。建築・美術・音楽・文学・服飾・政治・哲学などなど、みんなそれぞれの視点からミニマリズムを考察し語っていけば、賑やかで楽しそうだなと感じた。