【書評】「Webライター入門」を読んだ感想

Webライターになるための知識を広く網羅

今回読んだのは、技術評論社より出版された『Webライター入門 ――副業・プロで稼ぐための50の基礎知識』です。

この本は、現役で活躍されているWebライターさん9人による共著とのことで、内容としては幅広いテーマ(記事の書き方や著作権、取材方法など)について取り扱っています。また、本書そのものが『実際のWebライティング』を意識して執筆されたものであるため、Webライターに要求される文章力がどれほどのものかを推し量ることができます。

本書読者は『Webライターを目指す女性の方』が想定されているようで、作中では「一般女性の視点が大切ですよ」「10代の女の子の文化も興味を持って分析できるライターさんがほしい」「女子力や恋愛ネタを書いてみましょう」といった内容に触れられています。しかし男性でも問題なく読めると思います。本来『著者とコンテンツは切り離されるもの』ですので、男性であっても女子力や恋愛ネタをどんどん書いてみることは実力アップに繋がるかもしれません。

気になる方は、技術評論社の公式ページ(Webライター入門:書籍案内|技術評論社)で書籍概要と目次を読むことができます。目次に関してはかなり詳細なものが公開されているため、購入の際の判断材料となるでしょう。

仕事の見つけ方、記事の書き方から著作権、SEOに至るまで幅広い情報が載っている

上記リンク先の目次を見てみれば分かるとおり、情報量はとても多いです。とくにWebライティングとは切って切り離すことができない『SEOを意識したライティング』について解説があった点は、非常に評価できます。この辺りはアフィリエイターの人が読んでも役に立つでしょう。内容としては基本的なことが中心ですが、そもそもが入門書ですので『基礎を知ること』は何よりも大切です。

『著作権』の項目についてはやや残念で、もう少し掘り下げて書いて欲しかった部分です。コピペの是非や引用の要件など『ライター側が気をつけること』については内容が充実しており良かったです。しかし例えば「納品した記事の著作権はどのように取り扱われるの?」「案件に著作権譲渡特約があるのだけれど、何に注意すべき?」など、そういったことについても知りたかったです。

全体の読後感としては、情報が過不足なく網羅された良書ですので、気になることがあったら「ネットで検索してもっと詳しく調べる!」といった使い方が良いかと思われます。

本書をどのように活かすべきなのか

本書最大の特徴は『現在第一線で活躍しているWebライター9人による共著』という点ですので、これを活かさない手はありません。本書のWebライターさんの名前で検索をかければ、ポートフォリオサイトやその人の書いた記事、ツイッターでの活動報告など、さまざまな情報を知ることができます。

是非見ておくべきでしょう。実際のポートフォリオやライティング記事を見るのは、すごく勉強になります。私は本書の内容についてはすでに知っているものも多かったですが、これだけでも価値ある一冊だと感じました。やはり実際に書かれたものを分析するのが、Webライティングスキルアップの一番の近道です。

Kindle版について

ちなみに私は、Kindle版の方を購入しました。150円だけお得に買えます。

目次や注釈がKindleに最適化されていて、目次をタップするだけで一瞬で当該ページの当該項目に飛ぶことができます。これはものすごく便利です。(Kindleでよく本を買いますが、この『目次最適化』をちゃんとやっている書籍は少なく、電子書籍のメリットが全然活かされてないじゃないかと思います)

ひとつだけ惜しむらくは、最後のページの『索引』です。これにはリンクが貼られていないので、やや不親切な印象を受けます。(もっともKindleには『本文検索機能』がついているため、それを使えば解決します)

まとめ―入門書としては良書

Webライター入門というだけあって、ライターになるために必要な情報を幅広く網羅しており、入門書としては良書です。すでにWebライターをしている人にとっては「もう知ってるよー」という基礎的な情報も多いため、物足りないかもしれません。これは、購入の前に一度、技術評論社公式ページの目次紹介をご覧になってください。
Webライター入門:書籍案内|技術評論社

私個人としては『SEOを意識したライティングの重要性とその方法』が本書でページを割いてちゃんと書かれていたことが、一番良かったなと感じたポイントです。

(終わり)